アメリカ起業奮闘録-2
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前回は映画の話で私の人生の岐路と最大の決断を切り出したのでびっくりしたり、怒られた方々もおられると思うが、案外と決断というのはその時たまたま身近に出会った映画や本や小説に影響されると思う。かなり前だが吉川英治の「宮本武蔵」の筆者あとがきを読んでいたら筆者に手紙で「宮本武蔵を読んで自殺を思いとどまった」とか「剣道部の活動を続けることにした」というファンレターがくるという。筆者の吉川英治は、自分の書いた作品の影響力に驚きまた恐れも感じると書いていたと記憶しているが、そういうものだろうと思う。空手で有名な大山倍逹氏も「宮本武蔵」を読んで空手の道を歩む決心をしたと記憶している。
また映画「マトリックス」の話をしたいと思うが、荒唐無稽なSF映画と片付けてしまうのは簡単だが、はじめてこの映画を見たあとに思い出したストーリーがある。それは中国の古代の思想家「荘子」の「胡蝶の夢」である。何らかの思想を盛り込んだ短編ストーリーを束ねた思想書である「荘子」の中でも最も有名なもので、ある日荘子が木陰で昼寝をしていたところ自分が蝶になった夢を見た。花から花へと飛び遊び非常に楽しい経験をした。目覚めた「荘子」は「自分が夢を見て蝶になった」か「蝶が夢を見て自分が存在している」のかは分からないと考える。「そんなばかな」と思われる向きもあろうが、それほど夢と現実の境は希薄だということであろう。

あこがれのカリフォルニア。現実はそう
甘くない。まず言語の壁、次に移民法
という法律の壁が立ちはだかる。
マトリックスだとこんなに重大な決断をするのにはばからしくて、荘子ならいいということはないであろう。影響力があったことは事実である。ここで言いたかったことは、希望して、夢を描いて、準備をして、時期を選んで、実行するという普通考える手順が踏めるかどうかは極めて疑わしいということが1つ目である。私のケースでは1997年10月にサンフランシスコ駐在になった時に確かにアメリカへ移住と独立の夢を実行に移そうと考えてはいたが、そのあと駐在時代の3年半は多忙に過ぎてビザを移住しやすいステータスに移すことさえできなかった。前職を離れる時はそれまでの総括をする時間も与えられなかったのが実際である。移住後の転職先さえよく考え準備をしておく時間もなかった。
そういう意味では厳しい現実の中で目覚めなければならなかった「マトリックス」のネオやその仲間と同じかもしれない。たとえ十分に準備してスケジュールした通りに独立を実行したとしても、予想したより多くの投資を必要としたり、予定していた売上が上がらなかったりスケジュール通りには絶対に行かないと考えた方がよいように思われる。従って、独立起業には予測できなかった不測の事態に耐え、対応できる柔軟性とタフさがどうしても必要だと考える。
そうは言っても長年あたため、大事にして来た夢がなければ何もおこるまい。何も大きな変化をおこす動機付けがない。夢を見て、いつか実現しようと考え続けていればそちらの方向に物事は動き始めるもののようである。最初の結論は「夢を大事に」して「不測の事態に対応できる柔軟さと体力を持つ」ことであろう。
筆者の執筆活動:
カリフォルニア在住ブロガーレポート「California Fine Days」
http://www.olivemart.net/news_ex/newsdisp.php?m=0&i=11
オリーブ・ニュースX【SFレポート】
http://www.olivemart.net/news_ex/
ニフティ語ろ具「サンフランシスコ歳時記」
http://golog.nifty.com/
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